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「テロ」は口実 人権を脅かす法案「市民と共に共謀罪に反対します」

2017.05.17

 国民的な反対で過去に3回も廃案になった「共謀罪」。この「共謀罪」を盛り込み「テロ対策」であるかのような名称に変えて国会で審議されている「テロ等準備罪」(組織犯罪処罰法改定案)の新設に、京建労は反対しています。「『共謀罪』の創設に反対する緊急統一署名」への賛同をよびかけるなど、仲間にこの法案の危険性を知らせる運動にとりくんでいます。

京建労から395人が参加

 4月16日に円山公園音楽堂で開催された「共謀罪の制定を阻止する市民集会in京都」(京都弁護士会主催)に、京建労から仲間と家族395人で参加しました。
 政府は「テロを防ぎ、東京オリンピック・パラリンピック開催のために必要」などとして今国会で成立させようとしていますが、この集会が京都弁護士会の主催(日弁連が共催)で開催されたことでも分かるように日本の法制上も大変危険な内容です。
 「テロ等準備罪」と言い換えられた「共謀罪」は、日本国憲法が保障する「思想・信条の自由」や、「集会・結社・言論の自由」を脅かし、日本の刑事法の基本原則・法体系をも根底から否定する極めて重大な内容です。
 この日、暑さを感じるほどの晴天のもとで開かれた集会で、あいさつに立った木内哲郎・京都弁護士会会長は「弁護士会は憲法の価値を守り、基本的人権を擁護するために声を上げ、共謀罪の制定に反対します」と発言しました。
 また、政党からは民進党・日本共産党・自由党・新社会党の代表が登壇して発言し、1700人の参加者は、集会後に京都市役所前までの道のりをパレードして道行く人たちにアピールしました。

「共謀罪」とよび続けることは正当

海渡雄一さん(日弁連共謀罪法案対策本部副本部長)による講演より、その一部をご紹介します。(文責は編集部)

   政府は「テロ等準備罪」と名づけていますが、自らが法案を2003年に出した時には「共謀罪」と名づけており、この法案を「共謀罪」とよび続けることはまったく正当なことです。
 2013年に秘密保護法が制定され、2015年には戦争法、2016年には盗聴法を拡大する刑事訴訟法の「改正」。
 この法案は「日本を戦争できる国にする憲法改定」に反対する声を封じ込めるためのもの。この共謀罪の成立を阻むことが絶対に必要ではないかと思います。

「オリンピックのため」は国民をあざむくマヤカシ

 高山佳奈子さん(京都大学教授・共謀罪法案の提出に反対する刑事法研究者の声明呼びかけ人)による講演より、その一部をご紹介します。(文責は編集部)

 日本の犯罪対策は、頭の中にある観念的な危険だけでは処罰してはいけない。実質的な危険がなければ処罰することが許されないのです。これが憲法31条に関する最高裁の判例による解釈です。これを無視して強行されようとしているのが共謀罪立法です。
 締結しなければオリンピックが開けないと政府が説明する「国連越境組織犯罪防止条約」ですが、これを文字通り適用し共謀罪立法を行った国は187の加盟国中、ノルウェーとブルガリアだけで、これは条約本体が「国それぞれの法の基本原則に従った対応」を求めているからであり、各国が憲法に違反した共謀罪をつくったり、捜査権限を憲法に違反して拡大することはやってはいけないことになっています。
 私は、2008年から2013年までオリンピック招致を所轄しておりました文科省でドーピング対策の委員をやっておりましたが、その時に法務省でオリンピックのために共謀罪立法が論じられた形跡は皆無です。「オリンピックのための共謀罪」という話はごくごく最近に出てきた、国民の目をあざむくためのマヤカシの口実なのです。
 テロ対策の条文が一ヵ条も含まれていないのが、今国会に提出されている法案で、知らずに騙されている方が非常に多いです。
 マスコミに騙されている人たちに、本当の情報を広げる活動をともに頑張ってしていきましょう。

【建築ニュース1101号(2017年5月15日付)】

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