アスベスト

アスベスト被害者救済へ政治的解決を

多くの建設職人が「被害者予備軍」

アスベスト(石綿)は、吸い込んでから長い潜伏期間を経て、中皮腫・肺がん・石綿肺などの重篤な病気を引き起こすことから、「静かな時限爆弾」とよばれます。
日本ではこれまで約1千万トンのアスベストが輸入され、その約8割が建材に使用されてきました。建設職人は、石綿の危険性を何も知らされないまま、石綿建材の切断や解体などの作業を行ってきました。今、長い潜伏期間を経て、石綿関連疾患を発症する仲間が急増しており、多くが命を落としています。

日用品にもアスベスト

今年が正念場、建設アスベスト訴訟

石綿の危険性を知りつつ製造・販売を続け、利益を上げてきた建材製造企業と、企業の利益優先で労働者の健康を守るための規制を行わなかった国にあります。の全面救済など責任を果たさせるたたかいをしています。(全国で約700人の被害者を原告として、全国6ヵ所で11 の「建設アスベスト訴訟」)京都では、京建労の組合員を中心に原告団を作り、第1陣(2011年6月提訴)で25 人、第2陣(2017年1月提訴)で16 人が、「被害予備軍」である私たちの「代表選手」として、たたかっています。すでに、横浜・東京・福岡・大阪・京都・札幌の各地裁で判決が出ており、横浜以外の5地裁で国の責任が断罪されています。とりわけ、私たちがたたかう京都訴訟は、昨年1月29 日、国とともに、全国で初めて、建材企業についても、その加害責任を認める原告全面勝訴をかちとりました。

1 月29 日画期的判決 国、企業の不法行為を断罪

京都地方裁判所は、1月29 日、関西建設アスベスト京都訴訟(原告数27 人、被害者数26 人)において、国及び建材企業の責任を認め、国に対して総額1億418万円、建材メーカー9社に対して総額1億1245 万円、合計で2億1600 万円余の支払いを命じる原告全面勝訴判決を言い渡しました。全国でたたかわれている建設アスベスト訴訟において、企業の不法行為責任を認めた判決は初めてで、極めて画期的判決といえます。
京都訴訟も含め、全国6ヵ所で起こされている建設アスベスト訴訟。東京、福岡、大阪、京都と各地裁は4度にわたり国の責任を認め、国に対する責任は確定的な実績を積んでいます。しかしながら建材メーカーの責任と、現場を転々とし固定の事業主を持たない、建設特有の階層「一人親方」への賠償は認められない「壁」として顕在化していきました。
そして迎えた1月29 日。京建労が第34 回定期大会の「アスベスト全廃決議」から30 年、全国に先んじて被害根絶をのぞんだ京都から、仲間の力で企業責任という大きな「壁」に風穴をあける判決を勝ちとることができました。
いわゆる「一人親方」について、国の損害賠償責任そのものは否定しましたが、判決の中では、立法府の責任を問うことにより解決されるべき問題であるとのべられています。
残念ながら、国や企業は争う姿勢を崩さず、いずれの裁判も控訴され、高裁でたたかいが続いています。京都訴訟も今年に入って大阪高裁での審理が始まっています。京都でも6年前の1陣提訴の段階で、遺族原告は1人でした。しかし日々、原告が亡くなっていく中、現在1陣・2陣合わせ41 人の原告のうち、実に26 人が遺族。「命あるうちに解決を」が切実な願いです。こうした中、東京高裁で係争中の神奈川訴訟が今年3月に結審し今秋にも判決が言い渡されることになりました。高裁段階で初めての判決であり、今後のすう勢を決めるものとして注目されます。全国の建設アスベスト訴訟にとって、まさに今年が「正念場」です。

一日も早い全面解決を

この訴訟の目的は、原告本人の救済にとどまりません。原告の救済を通じて、今後も拡大する被害の全面救済のための制度、「被害者補償基金制度」を国と建材企業の責任で作らせることです。画期的な京都地裁判決をはじめ、国の責任が5度連続で断罪されていることから、早期救済を求める声が全国に広がっています。京建労の運動で、すでに京都府会・京都市会をはじめ、府内17 の地方議会(2017年3月時点)で、建設アスベスト被害の早期解決を国に求める意見書が採択されています。私たちの要求に賛同する国会議員は与野党で200人を超えています。判決をテコに政治解決をはかる段階に来ています。「裁判によらず補償を」…国は5度も責任が明確にされたことを真摯に受け止め、一日も早く被害者全員を救済する基金制度を創設すべきです。全面解決へ、引き続き運動を強めましょう。

アスベスト対策 早期発見から労災申請まで

40歳以上は無料!アスベスト検診

① 組合が行う「健康診断」を受診した組合員(40 歳以上)全員の胸部X 線フィルムを専門医が再読影し、じん肺・アスベスト所見をチェック。
② ①で所見が疑われる方については、無料で二次検診(胸部CT 検査)が受けられます。

病院でアスベストが見逃されている?!

「肺がん」が「タバコが原因」、「石綿肺」が「原因不明の間質性肺炎」…多くの医療機関・医師の中で、アスベスト疾患への理解が乏しい現状があります。
京建労は専門医と連携し労災申請を全面支援しています。

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