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砥石(2)

砥石(2)

 先号に引き続き今号も砥石をとり上げたいと思う。

 刃物の切れ味は砥石に懸かっているといっても過言ではない。以前鉋の話で触れた、鉋くずをどれだけ薄く削れるかという競技があるが、向こうが透けるほどの鉋くずを出そうと思うと、鉋だけでなく砥石の調整で大きく左右される。

 刃物を何度か研いでいると砥面が磨り減ってくるが、砥石の面が平らでなければ刃先もまっすぐに研げない。そのため平らなブロックや名倉砥石などを使って表面を平らに直すのだが、直してすぐのまっ平らの砥石でいきなり鉋を研いではいけない。鉋は平らな砥石で研ぐと刃先がまっ平らになり、材を削ったとき刃の角が立って筋がついてしまうため、刃先を若干弓なりに丸く研ぐようにする。そのため、鉋を研ぐ前にノミを研いで砥石の中央をわざと減らしてから鉋を研ぐようにすると、丸く研げる。反対にノミは角が立つよう刃先はまっ平らの方がよい。

 また仕上げる樹種によっても砥石や研ぎ方を変えてやらなければならない。桧や松が美しく仕上がる鉋でも、杉ではまったく仕上がらないといったこともある。

 砥石は釣りで言えばヘラブナのようなもので、極めれば極めるほど奥が深い。

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